スクラムマスターとコミットメント


6/1にScrum道.06に行ってきました。


Scrum道へは初参加でした。当日は非常に体調が悪く吐き気を伴う激頭痛だったのですが、非常に熱くて、楽しくて、ためになる勉強会でした。会場の永和マネジメントシステムさんの東京支社は自社から徒歩3,4分。開始5分前に慌てて飛び出しても十分間に合いましたw!


今回は「スクラムマスター」をテーマに、要求開発アライアンスでも公演を拝聴させていただいた、河童つながり(?w)の[twitter:@kappa4]さんがご自分の体験をもとに、スクラムマスターに必要な知識、道具、マインドなどについて話していただき、その後は座学でディスカッションしました。


しかしまぁ流石というか、熱い対話でした。運営、参加者合わせ20人強だったと思うのですが、傾聴と発言の切り替えのタイミングの良さは見習うべきものが多々ありました。3分の2以上の方が何かしら発言されたと思うのですが、迎合ではなく否定をしない意思表明、問題提起のやり取りは、あまり会話の中に入れませんでしたが、その輪の中に居られて気持ちよかったです。議論を否定から叩き潰しにかかるのは、どの場に居ても気分が悪いものです。気を付けよう。


さて、今回の参加の目的は自社で本の受け売りで一部のプラクティスを導入し始めたスクラムについて、実際に導入、コンサルティングコーチングされている方の様々な立場でのお話を聞きたいと言うことです。想像以上に良い話が聞けたので感想を綴りたいと思います。


予てから「スクラムマスター」と言う言葉に違和感を感じていました。つまるところ権限の委譲と責任から成り立っている会社組織で、「マスター」という称号はどうしても上位を連想させます。しかし、本を読んでも、今回参加してもプロジェクトの達成という観点からではスクラムマスターは語れず、スクラムマスターに与えられたロールにおいてはともかく、その他のあらゆる場面で上下関係は存在しないはずです。呼称なのでどうでもいいのかもしれませんが、初めてスクラムに参加するメンバーがスクラムマスターのロールを意識しやすいいい名前があるといいなぁと思いました。また、話し手のkappa4さんもおっしゃっていましたが、自己矛盾がやはりあるんですね。


次にコミットメントについてですが、私はコミットメントとは「努力目標」ではないと思っています。成否を問わない以上「努力目標」に類するものなのかもしれませんが、やはりコミットメントは「明確な(誰にとっても共通な)数値化された目標」だと思います。私の考え方がまだまだ未熟なのかもしれませんが、「返済日までにお金を返すこと」はあたり前のことで、それが無くてはリスキーで契約とは呼べません。これは経営においても、顧客との契約においても同様と考えます。今回のスプリントで達成しなかったことは事実であり、「達成するとは言っていません。達成できる努力をすると言ったのです。」では、通らない場面も多々あるのではないかと思います。


しかし、みなさんのお話を聞き、自分なりの咀嚼ができました。自己組織化されたチームを作ることが目的で、短期的な成果ではなく時間をかけて機能横断できる人材を育成していくのであれば、いずれコミットメントに対する達成率も上がり、生産性、幸せ創造力も増すのだと思います。「努力」と言うあいまいな言葉の背景には、肯定的な無限の可能性も秘めており、この解釈をいかにコンテキストに合わせて整合させていくかはPM以上に経営側の手腕・責任だと思いました。


ディスカッションの最後に破廉恥にも絞りきれなかった質問を一人で一気に4つもしてしましました。参加した皆さんごめんなさい。これらの質問にはその場でもいろいろご意見を頂きました。が、なんとその後に参加者の[twitter:@changeworlds]と、運営の[twitter:@Ryuzee]にブログで言及いただきました。折角いただいた意見なので、思いはいろいろありますが、もう少しスクラムを実践した上で改めて当日のメモとお二人のブログを読み返してみたいと思います。きっともっと多くの気付きと共感ができるんだろうなぁと自分に期待しています。


最後に、Scrum道.06本当に楽しかったです、運営の皆様、読み手のkappa4さん、参加者の皆様、本当にありがとうございました。


【参考リンク】
Scrum道
話し手kappa4さんの講演資料
運営Ryuzeeさんのフォローアップ記事
参加者changeworldさんのブログ