Agile Conference Tokyo 2011 行ってきました

アジャイル・カンファレンス・トーキョーに行って来ました。台風の影響が懸念されましたが、行き帰り共傘をさすほどの天候ではありませんでした。内容については下記に良くまとめていただいておりますので、相変わらず感想を綴ります。


Agile Conference Tokyo 2011 ・・・ 公式サイト
Agile Conference Tokyo 2011 まとめ(Ver.3000) ・・・ [twitter:@take3000]さんのTogetter
Agile Conference Tokyo 2011 マーティン・ファウラー氏の基調講演 #agiletokyo ・・・ [twitter:@mike_neck]さんのTogetter
Agile Conference Tokyo 2011 午後 Jez Humble氏の講演 #agiletokyo ・・・ [twitter:@mike_neck]さんのTogetter


基調講演、特別講演、衝撃的スライドが良かったことは言うまでもありませんが、人にものを伝えるための構成等は大変勉強になりました。また、今年の頭から色々なアジャイルソフトウェア開発に関するセミナー、カンファレンス、勉強会に参加し、また、素晴らしいコーチ陣を会社に招聘できたおかげで、以前ほど目から鱗のような衝撃的な発見はありませんでしたが、一言一言を噛みしめて拝聴できたのではないかと思います。


今日の講演の中でも、「自律」「自己組織化」「機能横断」「協働」「コミュニケーション」などチームビルディン上のキーワードはたくさん出てきました。自社への導入や展開を進めていく中でも、マニフェストが言わんとしていることや、派生した様々な考え方、プラクティスについては、よっぽどの人間不信か管理脳の人でなければ開発現場には受け入れられやすいし、受け入れたくなるムーブメントと「腑に落ちる」話術が多く存在していると感じています。むしろなんでせめて5年前にもっとしっかり耳を傾けなかったんだろうと後悔しているほどです。


ところがまだまだ発注者側を説得させるパタンは成熟度が低い、もしくは私がうまく説明できるほどの理解ができていないと感じました。あくまでSIの話ですが、「当社のお客様が」と言う意味ではなく、一般的にアジャイルソフトウェア開発の優位性(ケースバイケースですが)を説いたとしても「へえーいいね。で、いつまでにいくらでできるの?」「やり方はどうでもいいからさぁ、安く早くいい物作ってね」と言った場面が容易に想像できてしまう気がします。


今日の講演にもありましたが、まさに「手組」は残り続けるでしょうし、それこそがソフトウェア開発の難しさであり、その難しさを解決できるプロフェッショナルが、プログラマでありアーキテクトでありSI業界だと自負しています。この困難に立ち向かい解決できる力を持っている矜持、これを高めるには現場が変わることですが、現場を変える一番の追い風は必要としてくれている人たちの理解と協力だと思っています。


「SIオワンコ」などと叫ばれていますが、完全内製にシフトすることが困難で本当のSIを必要とする場所はこれからもあり続けると思います。開発手法そのものに完全解はありませんが、「人間不信の無駄な管理」「夢物語実現のすべてのしわ寄せ」は撤廃されるべきであり、SIを必要としている現場を巻き込んで「真のソフトウェア開発」に手を取り合って立ち向かう機運が高まっていると感じています。


発注者側がソフトウェア開発に対する正しい立ち位置を理解すれば「騙される」こともなくなるはずです。そして「オワンコなSI」もなくなるはずです。人間不信の管理脳監督者が一人躍起になって管理したくても、発注者側がそんな徒労を望まなければ簡単に解決される問題だと思います。


なんか脈絡なくだらだら書いてしまいましたが、今私が自身に課している使命は、発注者側が変わることで、ソフトウェア開発を取り巻くすべてが、今よりずっと幸せになることに尽力することです。少しずつ取り組み始めているものの、力不足に焦りを感じることもあります。と言うことで、乱文ご容赦ください。


真の目的を忘れた誤ったagileと言う言葉がありました、まさに「誤ジャイル」ですが、これが席巻する前になんとかしたいですね!


さて、そんなヒントを欲している私ですが、日本マイクロソフトの長沢さん[twitter:@tomohn]の講演の中に「Business Agility = Empiricism + Transparency」と言うくだりが出てきたのですが、自身のつぶやきでは「経験と透明性 , 実践と誠実」と意訳しましたが、実際に語られた背景を知らないので、詳しく聞きたかったなぁが、唯一の心残りです。



最後に、主催者、運営に携わった方々、登壇者の皆様、そして参加者の皆様、本日もありがとうございました。